Personal Workshopに関するルーリングについて

Android: Netrunnerで割とよく間違えるシリーズ第二弾です。
今回はPersonal Workshopについて。
カードテキストは以下になります。

[Click]: Host a program or piece of hardware from your grip on Personal Workshop and place power counters on it equal to its install cost.
1 [Credit]: Remove 1 power counter from a hosted card.
When your turn begins, remove 1 power counter from a hosted card.
When there are no power counters left on a hosted card, install it, ignoring all costs.

日本語訳*1

[クリック]: 個人的作業所を、君のグリップの、プログラム1 つかハードウェア1 つのホストとし、その上にそれのインストールコストに等しい数のパワーカウンターを置く。
1 [クレジット]: ホスト上のカードのパワーカウンターを1 個取り除く。
君のターンの開始時、ホスト上のカードのパワーカウンターを1 個取り除く。
ホスト上のカードの上にパワーカウンターが残っていない時、それをすべてのコストを無視してインストールする。

カードテキストをぱっと見ただけで複雑なのがご理解いただけると思います。
まず気をつける点としては、各行ごとに効果が独立しています。
そして、厳密な定義として、1行目と2行目は消費型能力(Paid abilities)で、3行目と4行目は条件節能力(Conditional abilities)で、それぞれの能力で効果が発動するタイミングが変わります。
そういう点でもややこしくなっています。
ただ、ざっくりとして動きは以下のようなものになります。

  • Personal Workshopにはプログラムかハードウェアがホストでき、ホストするには1クリック消費する。ただし、クリックを消費する消費型能力なので、アクションとしてのみ発動できる。
  • Personal Workshopにホストされたカードは自身のコスト分のパワーカウンターが乗る。
  • ターンの開始時に、Personal Workshopにホストされているカードのうちのひとつだけパワーカウンターを取り除く。
  • Personal Workshopにホストとされているカードで、パワーカウンターがなくなったカードはインストールコストを無視してインストールされる。



ここでいくつか疑問がわくと思います。

  • Personal Workshopにホストされたカードがある状態で、Personal Workshopがトラッシュされた場合
  • メモリコストの上限を超えた場合
  • Parasiteのようなインストールするのに条件があるもので、インストール条件を満たさない場合



まずPersonal Workshopにホストされたカードがある状態で、Personal Workshopがトラッシュされた場合について。
Personal Workshopも含めて、ホストされているカードすべてトラッシュされます。
これはルールブックの22Pの「ホスト」の項目に書かれています。
要はDjinやParasiteをホストしているICEなどと同じです。


次に、メモリコストの上限を超えた場合について。
これは通常のインストールと同じく、インストールされているプログラムのうち、メモリコストの上限を超えないようになるまでプログラムをトラッシュしてください。


最後に、Parasiteのようなインストールするのに条件があるもので、インストール条件を満たさない場合について。
公式のFAQ1.1*2の4Pの「How does Personal Workshop work?」というところに以下の文があります。

When there are no power counters on a program or a piece of hardware that has a play restriction on it that cannot be met (such as a Parasite with no rezzed ice to be hosted on or a console when there is already a console installed), that program or piece of hardware is trashed instead of being installed.

正確な日本語訳を書くのが億劫なので要約しますが、インストールされずトラッシュされる、ということになります。
今のところこの対象は、Parasite、Personal Touch、ハードウェアのコンソールです。
これについてはルールブックには特に記載がないで、今後はアップデートしてほしいところです。
というのも、TestRunやRetrieval Runについても同じことが起きうるからです。
といっても、かなりのレアケースではありますが。


あと、ParasiteとPersonal Workshopのことで、ちょっとマニアックな話があります。
ターン開始時にPersonal Workshopの効果でパワーカウンターが取り除かれることでParasiteがインストールされた場合、Parasiteのウィルスカウンターは乗るかどうか、ということです。
結論を言いますと、ウィルスカウンターは乗りません。
「ターン開始時」というのはある幅をもった時間ではない、という解釈のようです。
ターン開始時にチェックが走り、そのときに場になければ発動しない、という動作になっています。
詳しくは、BGGのスレッドのほうで議論されています。
http://boardgamegeek.com/article/11725154#11725154


このPersonal Workshopについては上記のようにいろいろと複雑なところがあります。
それに加えて、消費型能力の発動できるタイミングも厳密には決まっています。
そのため、Personal Workshopは現状のAndroid: Netrunnerのルーリングでは、かなりやっかいな部類に入るものでしょう。
これが理解できれば多少複雑なものについても大丈夫だと思います。